この本を読んだきっかけ
昔からお笑いが大大大好きです。
お笑いという言葉よりも先にドリフを知り、それ以来「人を笑わせる」プロである芸人さんにはずっと尊敬の念を抱いてきました。
私は芸人になるようなキャラではとてもありませんし、話も面白くないと思うのでいつも「自分なんかと話してもらってすみません」みたいな気持ちになっています。ですが、人を笑わせる技術があれば、自分なんかとも話す意味が多少あるのではないか、人を笑わせる技術というのはどうすれば身につくのだろう、吉本ではどんな授業が行われているのだろう、と漠然と考えていたところ、うってつけの本があることを知り、すぐに購入しました。
「1秒で答えをつくる力」概要
伝説のお笑い講師による思考の瞬発力を上げる授業
「1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術」本多正識、ダイヤモンド社
ナインティナイン、中川家、キングコング、かまいたちなど、30年間で1万人のお笑い芸人を育てた「伝説のお笑い講師」によるNSC(吉本総合芸能学院)の超人気授業を1冊に凝縮。
この本は、漫才作家でもある筆者が、普段芸人たちにレクチャーしている、切り返しの瞬発力の磨き方を、一般人が日常にも活かせる技術として教えてくれる本です。
筆者 本多 正識(ほんだ・まさのり)さん 来歴
漫才作家・吉本興業NSC講師
「1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術」本多正識、ダイヤモンド社
1958年大阪府高槻市生まれ。
1979年にラジオ大阪『Wヤングの素人漫才道場』のコーナーに11本連続で漫才台本が採用されたことがきっかけで漫才作家を志した。その後、大阪シナリオ学校通信教育部を卒業(14期卒)、1983年に漫才作家集団「笑の会」に参加した。1984年にオール阪神・巨人の台本を執筆し、ブレーンの1人となり、漫才師や吉本新喜劇に台本を提供、1991年に読売テレビ『上方お笑い大賞』にて秋田實賞を受賞。1990年にはNSCの講師に就任し、担当した生徒数は1万人を超え、ナインティナイン、キングコング、南海キャンディーズ、ウーマンラッシュアワーなどの芸人を指導した。
『M-1グランプリ』『キングオブコント』では審査員を務め、2017年のNHK連続テレビ小説『わろてんか』では脚本協力・漫才指導で参加した。
近年では自身の体験も踏まえ、著書などで子供たちに「いじめのない、笑いのある未来を」というメッセージを発信している。
2021年NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にて特集回放送、2022年NHK『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』に出演。
現在、『日刊ゲンダイ』にコラム掲載、ポッドキャストで『本多正識の芸人よもやま噺』配信中。主な著書に『素顔の岡村隆史』(ヨシモトブックス)、『笑おうね 生きようね』(小学館)など。
まちがいなくベテラン講師です。こういう方から話を聞きたかった!
この本のよいところ
よいところ① 具体的なトレーニング方法が多く載っている
この本では、各章に1つずつ具体的な「実践トレーニング」方法が載っています。概念だけでなく、トレーニング方法までつけてくれているのがとてもありがたい!それも、一般的な会話術という目線で書いてくださっているので、「それ、お笑い芸人にか役立たないでしょ」みたいな内容がありません。
私が今後意識して取り組みたいと思ったのは、
・雑誌や記事をほめまくる
・興味がないジャンルのニュースに目を通す
・漫才の先を予測しながら観る
などです。どういった力を伸ばすためのトレーニングなのかは、各自本を読んでいただきたいです。
よいところ② 具体的な芸人さんの名前が出てきて楽しい
これは単純にお笑いファンとして楽しい、という話なのですが、さすがよしもとの講師、これまで教えた生徒のなかには誰もが知る芸人さんがたくさん!
「この人は最初からこの力がすごかった」「この人は努力がすごかった」など、こぼればなしが時々入るので、すごく楽しいです。とともに、「やっぱりこの作者の方、すごいな~」と思いました笑。
よいところ③ 普段の会話にも活かせそうな心得が満載
この本がすごいなと思ったのは、通常のお笑い指南本ですと、「お笑い芸人による芸人になりたい人のための本」になりがちで、一般人がその技術を普段の生活に活かすためには、自分の頭でひとひねりしないといけなかったところを、最初から一般人向けに書いてくれているので、素直にそのまま実践すればスキルが上がりそう!という期待値が大きい事です。
そういった配慮がされているからかもしれませんが、どれもこれもすごく納得のいくスキルで、かといって一般的な会話術の本では出てこないようなお笑いならではのトークスキルもちりばめられていて、めちゃくちゃ勉強になりました。
なかなかなかったタイプの啓発本。おすすめです
とはいえ、載っているスキルはどれも一朝一夕に身につくものではなく、日ごろから意識して訓練を積むことで、人を笑わせることができるのだと思います。
一流の芸人さんも常にアンテナを張って、先を読んでいるからこそ、あれだけ瞬時にいい返しができるんだな~、とあらためて芸人という職業に尊敬の念を感じました。
今で30年以上かけて培ったことを惜しげもなく披露してくださり、筆者の方には本当にありがとうございます!!という気持ちです。この本で学んだことを生かして、少しでも面白みのある会話ができる人になりたい…と思ったぽんちゃんぽんでした。